花粉症とは?
花粉症は誰にでも感染する可能性のあるアレルギー疾患です。寒い冬が終わりを告げる季節!本来ならうれしいはずなのですが、花粉症に悩んでいる人には憂鬱な時期でもあります。花粉やダニなどの抗原体(アレルゲン)が体内に入り込むと免疫グロブリンE(IgE)と呼ばれる抗体が作られます。この抗体が増加することで拒絶反応を引き起こすのがアレルギーなのです。 鼻のアレルギーには、アレルギー性鼻炎や花粉症がありますが、抗原体(原因物質)が花粉だけの場合を花粉症といいます。生成された免疫グロブリンE(IgE)は、血液の流れにのり全身のあちらこちらに広がり、目の粘膜や鼻腔にも到達します。そこに花粉が入ってくることにより、免疫グロブリンE(IgE)が反応して、神経や血管を刺激し、くしゃみや鼻水、鼻ずまり、目のかゆみ、目の充血、涙などの症状を引き起こします。重症の場合は、頭痛、吐き気、めまい、体のだるさ、皮膚の炎症などの症状があらわれることもあります。
花粉の種類
花粉症は、体内に侵入してきた花粉に対して抗体(IgE)を作ってしまう人が発症するアレルギー です。花粉と一言でいってもたくさんの種類があるのですが、主に花粉症の原因物質となる花粉はおよそ 50種類といわれています。日本ではスギ花粉によるアレルギーが最も被害が多く 言い換えれば、スギ花粉に対して抗原体(IgE)を作ってしまう人がたくさんいるということです。 これは、スギを大量に植林したため、スギ花粉の飛散量が圧倒的に多いことがあげられます。
同じ環境で生活しているのに、花粉症になる人とならない人がいるのは何故でしょうか? 実は、生まれつきの体質で抗体(IgE)を作りやすい人とそうでない人が います。抗体(IgE)を作りやすい体質の人は花粉症に感染する確率が高くなります。 子どもの頃にアトピー性皮膚炎を発症した場合も花粉症の感染率が通常より 高くなります。それは、一度抗体ができると他の原因物質でも抗体ができやすくなって しまうからです。
花粉症〜子供の花粉症〜
花粉症は、発症が低年齢化しています。おおよそ3歳前後から花粉症を発症するといわれていますが、近年では赤ちゃんでも目をかゆかったり、くしゃみをしたりする花粉症の症状がみられるようになりました。花粉症は遺伝と関連するといわれています。アトピー体質の両親から生まれた子供は、40〜60%の確率でアトピーを発症すると報告されています。同様に、花粉症も、両親から遺伝し、低年齢の子供たちが発症する確率が高いと考えられています。小さな子どもは、まだ自分の症状を言葉でうまく表現できません。そのため、両親は風邪か鼻炎と取り違えてしまいことがあるのです。花粉症は、早期の治療が重要で、対策法もあります。
花粉症の季節に症状が見られたら、小児科だけでなく、アレルギーの検査を受け、花粉症かどうか調べ、不快な症状を軽減させるために対策をとりましょう。一番の花粉症対策は、花粉に触れないことです。外出時にはマスクを着用し、なるべく家の中に花粉を持ち込まないようにします。また、こまめに掃除をし、洗濯物は室内干しにして花粉が付着しないようにします。医師に処方してもらった治療薬を投与することも必要です。また、部屋に空気清浄機を置くのも有効です。遊びたい盛りの子供たちには気の毒ですが、屋外での遊びは控え、帰宅した時は、うがい、手洗いの習慣を身につけさせるようにしましょう。
花粉症情報を活用する
花粉症情報はいろいろな所から配信されています。身近な例では、花粉予報などのように、天気予報士が今日一日の花粉の量をテレビで伝え、ラジオなどでも確認できるようになりました。地域に合わせて花粉量が測定されていて、正確な情報を得ることができます。天気予報と同じように、気候や温度などから数ヶ月先を見越した花粉状況を予測できるようになりました。
花粉症患者が増加している日本では、環境省が花粉観測システム・はなこさんを利用して運営しているサイトを開設し、花粉症情報をより効果的に提供しています。沖縄以外の都道府県に向けて情報が配信され、花粉に対する関心をより高めることもひとつの目的とされています。花粉症に関するいろいろな情報を得ることができ、大気汚染との関係なども知ることができます。花粉症は最初から予防することが大切で、情報を有効に利用し、外出するときには、その日に合わせた対策を考えましょう。 マスクや帽子の着用はもちろんですが、ポリエステル素材などの花粉が付着しにくい服装にすることも大切です。花粉情報を利用して、洗濯を外に干すか部屋干しにするかを決めるのも良いでしょう。花粉症患者の数が多い都会では、スギ花粉の飛散情報が花粉情報の主流となっているようです。